北海道・旭川のラーメン店「蜂屋」が10月31日に新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区新横浜2)に期間限定出店する。
「昭和33年の下町」を再現した館内に、全国のラーメン店(時期ごとに入れ替わる)が出店する同館。30周年を迎える2024年に向けて、過去に出店したラーメン店が2年間かけてリレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」を昨年7月に始めた。
プロジェクト24店舗目となる「蜂屋」は、1947(昭和22)年に旭川で営業を始めたラーメン店。もともとは初代店主の加藤枝直さんが、ハチミツを使ったアイスクリーム店として創業した店だった。好奇心の強かった加藤さんは「中華そば」という食べ物があることを聞きつけて、独学でラーメンを作り上げて、アイスクリーム店からラーメン店に業態変更した。昭和30年代に入ると旭川周辺では人気のラーメン店となり、「休日には映画を見てから蜂屋でラーメンを食べる」という休日の過ごし方が流行したという。
同館では1994(平成6)年の開館より前の1991(平成3)年から「蜂屋」へ出店交渉をしていたが、人員面や特殊厨房(ちゅうぼう)の設備の問題などで交渉は難航。その後も交渉を続けた結果、1999(平成11)年に念願の出店となった。同館では2009(平成21)年まで営業した。
「蜂屋」のラーメンは、アジの丸干しでとった魚介スープにとんこつスープをブレンドした「ダブルスープ」。それぞれ別々にスープを作ってからブレンドする手法は、手間と技術を要するため「蜂屋」の特徴の一つとなった。スープをよく吸う低加水麺を使い、豚の脂身やかつお節などを加えて作る「焦がしラード」がどんぶり一面を覆う。
提供予定のラーメンは「しょうゆラーメン」(1,000円)、「煮玉子入りしょうゆラーメン」(1,150円)、「しょうゆチャーシュー」(1,250円)、「豚めし」(450円)など。
同館営業戦略事業部の栗原幸司さんは「蜂屋は旭川ラーメンの特徴を確立した老舗ラーメン店。圧倒的なオリジナリティーを持つ唯一無二の旭川ラーメンをこの機会にお召し上がりいただけたら」と話す。
営業時間は日によって異なる。入場料(10月31日から新料金)は、大人=450円、小中学生・高校生・シニア(65歳以上)=100円、小学生未満無料。「蜂屋」の出店は11月20日まで。