海照山円応寺(横浜市港北区新吉田町)で10月13日、横浜市の民俗無形文化財に指定されている伝統行事「柴燈護摩火生三昧(さいとうごまかじょうざんまい)火渡り修行」が披露された。
同寺で毎年体育の日に行われる「柴燈護摩火生三昧火渡り修行」には多くの檀家や参拝者が訪れる。当日は台風が近づいており天候が心配されたものの、無事執り行われた。
火渡り修行は、1300年前から真言密教に伝わる修行で、もっとも厳しい荒行とされる。ほら貝の音とともに山伏問答、斧・弓・刀などのお作法に続いて、旧年のお札やしめ飾りを焼き「火床」を作る。読経と錫杖が鳴らされる中、燃え上がる炎からは竹のはじける音が響いた。火床が作られると、住職、山伏、檀家、参拝者の順に素足で火の上を渡る。小雨の中多くの人が、1年のほこりなどを焼き払い心願成就を祈った。
住職は「本来ならば満ち欠けをする月を見ても仏のこころがわかる。生まれたときは誰でも純真無垢であるけれども、日々過ごしていく内に仏の声を聴くアンテナも錆びてくる。人というのは弱い存在であるので、1年に1度でも焼き清めて仏の声を聴けるようにしていただくことが大切」と語った。