株式会社カヤック(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役 CEO:柳澤大輔)が開発・運営するコミュニティ通貨(電子地域通貨)サービス「まちのコイン」(https://coin.machino.co/)が、奈良県生駒市で、2025年1月27日(月)より本格運用が開始されました。通貨名は「くるり」です。
本サービスの導入により、生駒市が掲げる「市民との協創によるまちづくり」を支援し、地域活動の担い手不足の解消や地域コミュニティの活性化を目指します。また、本取り組みは、地域経済の活性化にも寄与し、商店街や店舗などの利用促進にもつながることが期待されます。現在、市内40以上のスポットで利用可能であり、今後は市内全域への展開を予定しています。
https://www.youtube.com/watch?v=7WLdEqcVrOU
「まちのコイン」アプリの活用方法はこちらの動画をご覧ください。
◆背景と目的
奈良県生駒市は、大阪府および京都府に隣接する都市圏のベッドタウンとして発展してきました。一方で、本格的な人口減少と少子高齢化により、2045年には生産年齢人口が2015年と比較して10%以上減少、後期高齢者の割合が2倍に増加することが予測されています(※1)。生駒市は市民活動が盛んなまちですが、今後、これらの課題が進行すると、活動に参加する人や新たな活動の担い手の不足が懸念されます。また、既存の地域活動の認知度が低いことや、参加するきっかけが十分でないことも課題です。こうした状況を踏まえ、地域活動やまちづくりに気軽に参加できるような環境づくりをすることで、地域の持続的な発展を目指しています。
「まちのコイン」は、「つかうほど、まちが楽しくなる。」をコンセプトに、地域や人とのつながりを生み出し、地域の魅力を再発見することを目的としたコミュニティ通貨アプリです。これまで全国31地域(※2)で導入され、地域活動の参加促進や関係人口の創出、SDGsの推進に貢献してきました。
生駒市においても、こうした特長を活かし、若年層や子育て世代を含む多くの市民に地域活動への参加機会を提供し、まちのにぎわいを創出することを目的に、導入されることになりました。
※1 第6次生駒市総合計画第2期基本計画
https://www.city.ikoma.lg.jp/cmsfiles/contents/0000034/34755/kihonkeikaku_2.pdf
※2 2025年3月現在、奈良県生駒市のほか、神奈川県鎌倉市・厚木市・相模原市、東京都下北沢エリア・秋葉原エリア・池袋エリア・渋谷区・アルバルク東京、茨城県日立市、埼玉県鴻巣市、新潟県燕三条市、滋賀県、大阪府八尾市、鳥取県智頭町、岡山県新庄村、香川県多度津町、高知県高知市、福岡県八女市、鹿児島県日置市、沖縄県石垣市、FC琉球OKINAWAの22地域で運用中。
◆「まちのコイン・くるり」のコンセプト
めぐるご縁の輪 広がるまちのいろどり
奈良県生駒市の「まちのコイン」の通貨名は「くるり」。
「まちのコイン」は、ユーザーに愛着を持って利用してもらえるよう、地域ごとに異なるキャッチコピーと通貨名を設定しています。
生駒市では、「くるり」を使うことで、人や活動のご縁が生まれ、まちに向ける眼差しを変えてほしいという想いが込められています。
◆「まちのコイン・くるり」でできること
「まちのコイン」は、スマートフォンでアプリをダウンロードすると、誰でも無料で使えるサービスです。登録されているスポットで体験をすることでコインを獲得し、貯めたコインを利用することができます。なお、コインは日本円などの法定通貨には換金できませんが、使用することで地域と人、人と人とのつながりが生まれるのが特長です。また、ゲーム感覚でコインを集められる仕組みになっており、楽しみながら地域活動やSDGsの取り組みに参加するきっかけを提供します。
「まちのコイン・くるり」を使って、例えばこんな活用ができます!
<活用例>
1.にぎわいの創出
生駒市では、生駒駅南口周辺の回遊性向上とにぎわい創出を目的として、空き事務所を活用した期間限定のチャレンジショップ「サクラサク」(https://www.sakurasaku-ikoma.com/)事業を実施しています。
本取り組みのさらなる活性化を図るため、来店者がアンケートに回答すると「300くるり」でオリジナルロゴポーチをプレゼントしています。(2025年3月30日まで)
2.ボランティア活動の推進
市民活動やボランティア活動を推進する施設「市民活動推進センターららポート」では、個人ボランティアの登録を受け付けています。
登録後、市内でのボランティア活動(※)に参加すると「500くるり」を獲得できます。これにより、市民がはじめてボランティア活動に参加するきっかけを提供します。
※詳細は生駒市HP「市民活動団体が募集するボランティア活動」(https://www.city.ikoma.lg.jp/0000035158.html)に掲載されています。
3.地域交流の促進・ファンの獲得
加盟スポットは「くるり」を活用し、地域交流型のプロモーションを実施することが可能です。
たこ焼き店「ジャッロたこやきやさん」では、「くるり」と交換することでたこ焼きの個数を増量するサービスを実施しています。
5個入り → 7個
10個入り → 12個
15個入り → 18個
本サービスは1日1回まで利用可能であり、市民との交流促進によるファンの獲得につながることが期待されています。
◆「まちのコイン・くるり」概要
■参考資料
コミュニティ通貨サービス「まちのコイン」の利用方法と特長
魅力を見つけて、人と出会って、活動に参加して。みんながまちを楽しむほど、ぐるぐる循環する。「まちのコイン」は、地域を楽しむ人のためのコミュニティ通貨(電子地域通貨)アプリです。本通貨を活用することで、 地域内外の人のつながりをつくり、 良好な地域コミュニティ形成が期待できます。「まちのコイン」は、2019年9月に神奈川県「SDGsつながりポイント事業」で採択されて以来31地域で導入され、2025年3月時点では大阪府八尾市や茨城県日立市など22の地域で活用されています。
鎌倉に本社を置くカヤックは、地域ならではの豊かさを実現する「地域資本主義(※)」という考えを発信しています。「まちのコイン」は、地域のコミュニティとのつながりを促進する、仲間づくりのためのコミュニティ通貨です。人と人とがつながることで、その地域をもっと好きになり、地域の社会課題の解決や地域経済の活性に貢献することを目指します。
※地域資本主義とは、経済的な豊かさに加え、地域特有の自然や文化、コミュニティなどを資本とし、企業や自治体が経済・環境・社会の3つの資本を増やして地域ならではの豊かさを実現する考え方です。
【仕組み】
「まちのコイン」アプリをダウンロードし、QRコードを介して、ユーザーがポイントを獲得、利用できます。ユーザーは地域活動などに参加するとポイントを獲得し、獲得したポイントは加盟店等で利用することができます。
*法定通貨に換金することはできません。90日で利用ができなくなります。
【特長】
1.まちの個性や課題に合わせた体験設計
移住関係人口の促進やまちの賑わい創出、自然環境の保護など。そのまちの個性や課題に合わせて、コインを獲得したり利用したりする体験を考え、設定することができます。例えば、海の環境を守りたいまちでは「ビーチクリーンに参加する体験」など。
2.地域内外の人をつなげ、関係人口創出に寄与3.ゲーム感覚でSDGsの自分ごと化を促進
地域以外の人でも利用可能です。地域内外の人が一緒に地域活動に参加したり、地域外の人が地元のお店を利用したりすることで、関係人口の創出にも繋がります。