Bリーグ・チャンピオンシップ(CS)に臨んでいる横浜ビー・コルセアーズ(以下、横浜BC)が5月14日、川崎ブレイブサンダース(同、川崎)を104対84で下し準決勝進出を決めた。会場は川崎市とどろきアリーナ。
レギュラーシーズン60試合を勝ち抜いた上位8チームがトーナメント戦で日本一を決めるCS。2戦先勝で次の戦いに駒を進めるなか、中地区2位で出場を決めた横浜BCは、前日の13日に同地区1位の川崎に勝利し2戦目を迎えた。
川崎は前日の試合で負傷者が出て外国籍選手が0人というなかではあったが、「やるべきことを遂行するしかない」(河村勇輝選手)と臨んだ。立ち上がりから前線からプレッシャーをかける守備で立て続けにミスを誘発し12-0と好スタートを切る。高確率で決まった3ポイント(P)シュートと、フィジカルを生かしたインサイド双方で得点を伸ばし第1クオーター(Q)から34-15と2桁点差を付ける。
点の取り合いとなった第2Qは川崎のシュートが当たり出し詰め寄られるが、河村選手の連続3Pや「ゴール下の要」と自負するチャールズ・ジャクソン選手が体を張り追随を許さない。後半序盤は須藤昂矢選手のアグレッシブな守備もあり失点を抑え80-55とリードを広げる。
最終Qには森川正明選手がインサイドへのアタックなどで得点を重ね、得意の3Pを沈めると「リードは大きかったが気を緩めるとすぐに追い付かれる恐れがあった。皆も気を締め直してプレーできると思った」と吠えて気迫を見せた。終盤は今年大学を卒業した松崎裕樹選手も出場を果たし逃げ切った。
この日攻撃を引っ張ったのは森井健太選手。前半100%の確率でシュートを沈めていたなか第3Qには連続で3Pを決めるなど18点をマーク。終盤には自らのフリースローで100点にのせた。最終Qには高さのアドバンテージを生かしてパスを出すなどアシストも8本記録した。
レギュラーシーズンの成功確率が20%台である3Pは5本中4本沈めた。試合ではディフェンダーに3Pを打てる距離を空けて守られることもあるなか、コーチや仲間から「打ち続けてほしい」と言われ昨季から倍の本数打ってきた「経験が今日に生きた」。キャプテンという立場や河村選手に守備が寄るなか「『自分が決めてやる』じゃないが、自分や他の選手が決めることで相手にプレッシャーを与えることができる。大舞台だからこそ、自信を持ってプレーできたのが良かった」と話す。
森井選手の3Pにはベンチの選手も盛り上がりを見せていたが、河村選手は「僕もいじるが、(チームで)一番いじられている(笑)。それも含めて健太さんらしい」と話しつつ、「他のチームや世間がどういう評価をされているか分からないが、過小評価されている選手だと思う。ディフェンス面もBリーグで一番マッチアップするのが嫌なのは練習中の健太さん。ゲームコントロールにも長けていて、自分の強みを最大限生かせる選手」と評価する。
準決勝の相手は西地区1位の琉球ゴールデンキングスとなる。2月に天皇杯準決勝で敗れている相手でもあるが、青木勇人(たけと)ヘッドコーチは、オフェンスリバウンドやアグレッシブな守備、外国籍選手の得点力など各選手の「特徴を生かしている」点を挙げ、「良さをうまく消しながら速い展開に持ち込めるかが大事」と話した。
この日は会場だけでなく、雨天のなかセンター南駅前の広場でパブリックビューイングも行われた。森井選手は「ビーコルのファンの方は熱い方が多い。ファンも含めて戦っていきたい」と話した。