企画展「追憶のサムライ-横浜・中世武士のイメージとリアル-」が10月8日、横浜市歴史博物館(横浜市都筑区中川中央1)で始まった。
「武士」や「サムライ」のイメージを作り上げているものはなにか、に迫る同展示。横浜市立大学所蔵の中世文書をはじめ、広く関東の寺院や博物館が所蔵する展示資料などを集めて、武士の歴史を紹介する。
第一部は「鎌倉武士のイメージ」と題して、横浜の鎌倉武士・畠山重忠やその関連史跡、源頼朝の兄弟で源平合戦で活躍した源範頼の地域伝承に関する資料を展示する。
第二部は「古文書のリアル」。横浜市立大学学術情報センターの所蔵する848(承和15)年~1598(慶長3)年の750年間にわたる古代・中世文書約50点を公開。さまざまな古文書を読み解きながら、武士たちの築いた社会を紹介する。
第三部は「近代絵画にみる武士」で、現代作家による武士をイメージした作品が並ぶ。
佐藤信館長は「横浜市内各所には鎌倉武士に関わる伝承が多くある。その中には歴史的事実で無いものもあるが、それらが現在の武士のイメージを形作っている。今回の展示ではイメージと古文書などに記されているリアルの両方を紹介する。地域に残る伝承は地域のアイデンティティー。展示を通して可視化することで、後世に伝える手助けになれば」と話す。
会期は11月27日まで。開館時間は9時~17時。観覧料は一般=800円、高校・大学生=600円、小中学生・横浜市内在住65歳以上=200円。