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昭和3年当時の「鳥そば」、ラー博・淺草來々軒で限定提供

「鳥そば」

「鳥そば」

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 「淺草 來々軒(あさくさ らいらいけん)1周年記念企画」の第4弾として9月6日、「鳥そば」と「鳥天ぷら」の期間限定販売が新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区新横浜2)で始まった。

鳥天ぷら

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 明治期に、日本で初めてラーメンブームを起こしたとされる「淺草 來々軒(あさくさ らいらいけん)」。1910(明治43)年創業の店舗で、まだ「ラーメン店」という業態が存在しない時代に安価で大衆的なメニューを提供していたという。当時は1日多い日で3000人もの来客があり、その様子は浅草名物ともいわれた。

 「來々軒」は閉店していたが、ラーメン史の中で重要なこのラーメン店を復活させたいと、同館では約30年かけて調査。來々軒創業者の子孫や「支那そばや」らの協力で、2020年10月に同館で復活オープンした。

 オープン1周年を記念して昨年11月からは、來々軒で1928(昭和3)年当時に提供されていたさまざまなメニューを提供する企画をスタート。第1弾は、同店発祥説がある「中華丼」と「椎茸そば」(2021年12月10日に販売終了)、第2弾は「肉もやしそば」と「肉天ぷら」(2022年2月28日終了)、第3弾は「冷やし中華」と「海老とイカの青豆炒め」(6月30日終了)をそれぞれ提供した。

 第4弾となる今回は、当時牛肉よりも高級食材だった鶏肉を使ったメニュー。1928(昭和3)年のメニュー表には、20銭のラーメンに対して鳥そばが65銭と記載されてる。

 今回提供の「鳥そば」は、当時流通していた鶏肉の主流が名古屋種や軍鶏種だったことから、名古屋コーチン・軍鶏の丸鶏、鶏ガラでスープを取った。価格は1,100円。

 併せて、当時のメニューに記載されていた「鳥天ぷら」(4個600円)のほか、まかない料理を想像して作った浅草ノリと刻んだチャーシューをトッピングしてラーメンスープを注いだ「まかない茶漬け」(500円)も並ぶ。

 同館広報の小林綾子さんは「当時鶏肉は希少で、非常に高価だった。今回復活させたメニューは凝縮した鳥のうま味を存分に堪能いただけるのと、どこか懐かしく感じていただけると思う。貴重な浅草ノリを使用したまかない茶漬けとセットで楽しんでほしい」と話す。

 営業時間は日によって異なる。入場料は、大人=380円、小中学生・高校生・シニア(60歳以上)=100円、小学生未満無料。販売は9月30日まで。

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