LED植物工場の開発を手がける「アグリ王」(横浜市港北区新横浜1)が進めていた、モルトかすを魚養殖飼料として再利用する実証実験が6月に入り完了した。
室内で水耕栽培を行う植物工場事業を展開している同社。2024年からは、水耕栽培と魚の養殖を合わせた循環型農業「アクアポニックス」を手がけるアクポニ(中区)と共同で、室内用の栽培システムの一般販売も始めた。これは、淡水魚の排せつ物を微生物が分解することで養分豊富な水を作り、イチゴの水耕栽培に使うシステム。使った水は再び養殖の水槽に戻すことで、これまでの水耕栽培や養殖に比べて、使用する水の量が減るほか、栽培に使う養分液を調達する必要がなくなる。
昨年2月からは、この魚の餌として、ビール製造過程で発生する副産物の「モルトかす」を使う実証実験を始めた。社内の4基のアクアポニックスシステムで、関西では高級魚として扱われるホンモロコを15匹ずつ飼育。モルトかすは協力企業の横浜ビール(中区)から調達した。
同社統括部長の石田健治さんはよると、実験では粉末にしたモルトかすをそれまで使っていた餌「魚粉」にさまざまな比率で混ぜて、ホンモロコの成長を記録。約1年の実証実験で、最適な比率で、問題無く魚が成長するほか、イチゴも順調に育つことが分かったという。
育ったホンモロコやイチゴは、横浜ビールが運営するレストラン「UMAYA」(中区)でのメニュー化を検討している。石田さんは「ホンモロコはフリッターに、イチゴはチーズケーキにそれぞれ利用する案がでているが、輸送方法や価格、プロモーションなどの課題も残る」と話す。