ハウスクエア横浜(横浜市都筑区中川1)内3階ライブラリーで12月22日、段ボールで再現した国宝茶室「如庵」の製作が始まった。
建築家の山田幸司さんが手近な材料で、簡便に質の高い茶室空間を作ることを目的に設計したものを同館で再現する今回の企画。山田さんは昨年事故で亡くなったため、山田さんが准教授を務めていた大同大学(名古屋市南区)山田幸司研究室の学生や東北大学大学院工学研究科教授の五十嵐太郎さんなど、生前山田さんと親交のあった全国の有志によって企画が進められてきた。
当日は建築家の松田達さんをはじめ、海外や全国から集まった有志の学生8人が製作。この日の製作時間は約7時間、使用された段ボールはたたみ一畳大約300枚分で、1万枚以上に細かく分けて積み上げた。
松田さんは「段ボールという安価な素材で、さまざまな所に移転することで国宝茶室の空間を体験できることがこの茶室のコンセプト。素材感を生かすため、段ボールの断面が表に来るように設計されているのが大きな特徴」と話す。「一般公開後の展示先は決まっていないが、段ボールの耐久性が落ちているので廃棄するかもしれない。山田さんの遺作とも言えるこの作品を多くの方に体験していただければ」とも。
一般公開は1月2日~16日(5日、12日は休館日)。開館時間は10時~18時。無料。最終日の16日には、「茶室空間の可能性」と題したセミナーや基調講演、お茶会なども予定。14時~16時(要予約)。