プレスリリース

【企業は中高年支援より若手支援を優先が69%!】ミドル・シニアに求められているのは育成か成長か?

リリース発行企業:ニューホライズンコレクティブ合同会社

情報提供:

ニューホライズンコレクティブ合同会社(本社:東京都港区、代表:山口 裕二、野澤 友宏)は、中高年(40歳~65歳)と人事担当者・経営者を対象に、「中高年の社外交流とキャリア意識」に関する調査と中高年のキャリアサポート実態調査を行いました。

人生100年時代を迎え、働く世代の中でも特に40代以降の「キャリアの持続可能性」が注目されています。
少子高齢化や人材の流動化が進む中、企業にとっても中高年層の力をいかに引き出し、活躍を支援するかは重要な経営課題となっています。

しかし現場では、「制度はあるのに活用されない」「支援しているつもりが、本人には届いていない」といった“支援と実感のズレ”に悩む声も少なくありません。
特に中高年層に対しては、若手ほど明確な育成指針が持てず、支援のあり方が曖昧になってしまっている企業も多いのではないでしょうか。

では、企業は中高年層のキャリア支援にどう取り組み、本人たちはそれをどう受け止めているのでしょうか?
支援の手応えと本音のあいだに、どれだけのギャップが存在しているのでしょうか。

そこでニューホライズンコレクティブ合同会社https://newhorizoncollective.com/)は、中高年(40歳~65歳)と人事担当者・経営者を対象に、「中高年の社外交流とキャリア意識」に関する調査中高年のキャリアサポート実態調査を行いました。

調査サマリー
・40歳以上の約6割が「社外交流が減ってきている」と実感
・社外交流を経験した人の多くが「刺激を受けた」「視野が広がった」と回答
・社外交流を「望ましい」と考える層ほど、自己成長への期待や目的意識が高い
・企業の9割以上が「中高年キャリア支援に取り組んでいる」と回答する一方、実際に満足している中高年社員は半数以下。
・企業の約7割がキャリアサポートは「若手支援」と回答
・企業は「生産性向上」「人的資本の最大化」など経営効果を期待するが、現場ではノウハウ・リソース不足や本人の関与を引き出す仕掛けが課題となっている
・制度整備だけでなく、「本人の動機に火をつける設計」「社外資源との連携」など、現場で使える支援への転換が求められている

中高年社員と企業のギャップが明らかに
はじめに、「キャリアサポートの提供実態」についてうかがったところ、企業側と社員に満足度についての乖離があることが明らかになりました。



人事担当者・経営者に、「中高年(40歳~65歳)のキャリアサポートの提供実態における社員満足度」について尋ねたところ、7割以上の方が『とても満足している(20.6%)』『やや満足している(54.3%)』と回答しました。

企業側は「支援は整っており、一定の効果を上げている」と自負している様子がうかがえます。ではなぜそのように感じるのか、うかがいました。

■なぜそう感じますか?(任意回答)
・中高年の能力のある社員が仕事の内容に反映された活躍ができているので(『とても満足している』と回答/埼玉県/40代/女性)
・不平もそこまでない(『やや満足している』と回答/千葉県/30代/男性)
・再雇用などにある程度納得されていると感じる。(『やや満足している』と回答/青森県/30代/男性)
・退職する人が減ってきた(『やや満足している』と回答/鳥取県/50代/男性)

企業側の多くは、「不満の声が少ない」「退職が減った」といった表面的な変化や消極的満足をもとに、支援の効果を実感している傾向が見られます。

一方で中高年社員に対しても同様に尋ねたところ、『会社からのキャリアサポート』に対して「満足している」と感じている人は半数以下にとどまり、『あまり満足していない』『全く満足していない』と回答した方を合わせると半数以上の方が不満を抱いています。
これは、制度や取り組みの有無と納得感が一致していないことが明らかになりました。

では、中高年の社員は、具体的にどのような点に満足していないのでしょうか。



さらに「会社からのキャリアサポートについて満足していない点」を尋ねたところ、『キャリアについて相談できる機会が少ない(33.6%)』が最多で、『社外との交流や学びの機会が少ない(30.7%)』『異動や新しい挑戦の機会が限られている(28.2%)』と続きました。

中高年社員がキャリアサポートに不満を感じる要因として挙げられた項目は、いずれも「制度があるかどうか」ではなく、「個人が機会を得られているか」「主体的に成長・挑戦できる場が開かれているか」といった実感レベルの問題です。

では、人事担当者・経営者と中高年は、キャリアビジョンについてどう考えているのでしょうか。

人事・経営層が想定する中高年のキャリアビジョンは『プレーヤーとして活躍し続ける』が約3割で最多!中高年自身のキャリアビジョンは?



人事担当者・経営者に、「中高年社員はどういうキャリアビジョンをもっているか」について尋ねたところ、『プレーヤーとして活躍し続ける(29.3%)』が最多で、『管理職としてマネジメントに注力(25.7%)』『早期退職・セミリタイア(20.5%)』と続きました。

続いて中高年に、「今後のキャリアについて、どのように考えているか」について尋ねたところ、『プレーヤーとして活躍し続ける(35.2%)』が最多で、『管理職としてマネジメントに注力(18.7%)』『早期退職・セミリタイア(16.8%)』と続きました。

中高年社員のキャリア観と、人事・経営層が想定するキャリアビジョンとの間に、大きな乖離は見られませんでした。
『プレーヤーとして活躍し続ける』という選択肢は、中高年本人で35.2%、人事側の想定で29.3%といずれも最多であり、企業側も「中高年は今も前線で価値を発揮したいと考えている」ことを一定程度理解していることがわかります。
また、『管理職としてマネジメントに注力』や『早期退職・セミリタイア』についても、両者の回答に大きな差はなく、キャリア後半のあり方に対する基本的な見立ては共通しているといえるでしょう。

中高年と企業の間でキャリア観(プレーヤーとして活躍したいなど)には大きなズレは見られなかった一方で「キャリアに対し何を求めているか」の認識においては、明確な方向性の違いが浮き彫りとなりました。



人事担当者・経営者に、「中高年層は今後のキャリアにおいてどんなことを求めていると思うか」について尋ねたところ、『若手人材への裁量拡大・権限譲渡(36.1%)』が最多で、『社内でのコミュニケーションの充実(35.9%)』『キャリア研修・キャリア相談(32.9%)』と続きました。

一方で中高年に、「今後のキャリアを見据えた際に、どういう機会を増やしたいか」について尋ねたところ、『自身の業務におけるスキルアップ(34.1%)』が最多で、『社外との交流・ネットワークづくり(31.8%)』『副業や兼業などキャリアの幅を広げる(25.5%)』と続きました。

この結果から「キャリアの目的地」ではなく「そこへの道のり」に関して、企業と本人の間で期待のベクトルが異なっているという実態が示されました。
人事側は「組織の中でどう活かすか」や「社内のつながりをどう深めるか」といった内向きの支援をイメージする一方で、中高年自身は「自分自身の価値をどう高めるか」「社外も含めて視野を広げたい」と考えている傾向が強く表れています。

なぜキャリアサポートに対しここまでの乖離がうまれてしまっているのでしょうか。
そこで、企業の中高年社員に対してのキャリアサポートについて、詳しくうかがいました。

人事担当者・経営者の約7割がキャリアサポートは「若手を優先」と回答



続いて、人事担当者・経営者に、「中高年(40歳~65歳)のキャリアサポートを行ってるか」について尋ねたところ、9割以上の方が『注力して行っている(37.9%)』または『ある程度取り組んでいる(44.9%)』『一部の施策のみ行っている(10.9%)』と回答しました。

いずれも「何らかのキャリア支援に取り組んでいる」とする前向きな姿勢を示しており、全体の9割以上が中高年層に対する一定の支援活動を実施している実態が浮かび上がりました。
特に『注力して行っている』と『ある程度取り組んでいる』の合計は8割を超え、制度面に加えて現場での実行レベルにも力を入れている企業が少なくないことがうかがえます。

さらに、「中高年層向けのキャリアサポート」について尋ねたところ、『社内異動・再配置の支援(48.6%)』が最多で、『研修・スキルアップの機会提供(41.8%)』『キャリア相談窓口の設置(40.9%)』が続きました。

上位に挙がった『社内異動・再配置の支援』『研修・スキルアップの機会提供』『キャリア相談窓口の設置』はいずれも、既存の組織内での役割再設計を軸とした支援施策である点が共通しています。
企業側が中高年社員に対して、過去の経験やスキルを活かしながら新たな貢献機会を与えようとする意識が反映されているといえるでしょう。

とくに「再配置」と「相談窓口」の組み合わせからは、人事主導の配置転換だけでなく、本人との対話を通じた納得感あるキャリア形成を目指している姿勢もうかがえます。



「中高年層のキャリアサポートと若手の育成・支援、どちらを優先しているか」について尋ねたところ、約7割の方が『明らかに若手を優先している(25.2%)』『どちらかといえば若手を優先している(44.0%)』と回答しました。

全体の約7割の方が「若手を優先している」と回答しているように、企業の支援資源は中高年層よりも若手育成に多く割かれている現状が明らかになりました。
企業側の判断として、「若手=将来の投資先」「中高年=支援の優先度が低い」という構図が根強く残っていることがうかがえます。

『明らかに若手を優先している』『どちらかといえば若手を優先している』と回答した方に、「中高年層のキャリアサポートが後手にまわってしまう理由」について尋ねたところ、『若手育成のほうが重要だと考えている(47.8%)』が最多で、『若手のほうが意識が高い(43.2%)』『適切なキャリア支援の方法がわからない(34.2%)』と続きました。

上位に挙がった項目はいずれも、「企業リソースの優先配分」と「中高年支援に対する難しさ」が複合的に作用していることを示唆しています。
中高年への支援が後回しになる構図には、意図的な軽視というよりも「見えにくさ」「扱いにくさ」「仕組みにしにくさ」といった複雑な要因が絡んでいることが示唆されました。
結果として、企業側も「必要とは思いつつも、手がつけづらい」状態に陥りやすく、支援の空白期間が続いてしまうことが多いのが実態といえるでしょう。

中高年キャリアサポートの障壁とは?「社内ノウハウの不足」と4割が回答



人事担当者・経営者に、「中高年層キャリアサポートを進める上での社内の障壁」について尋ねたところ、『社内ノウハウの不足(39.0%)』が最多で、『中高年社員自身の意識が低い(38.8%)』『リソース不足(36.9%)』と続きました。

最後に、「中高年層のキャリアサポートによって、どのような成果を期待するか」について尋ねたところ、『生産性の向上(43.5%)』が最多で、『人的資本の最大化(42.8%)』『組織の活性化・イノベーション促進(34.5%)』と続きました。

中高年層に対するキャリアサポートにおいて、人事・経営者の多くが「経営効果の高い成果」を強く期待している実態が明らかになりました。
中高年層の支援は、単なる制度整備ではなく、組織全体の競争力を高める戦略的施策として捉えられていることがわかります。
しかし、それを推進する現場では社内ノウハウが不足していたり、中高年社員自身の意識が低かったり、リソースが不足しているといった実行面の課題が壁となっており、理想と現実のギャップが如実に表れています。

「活用したいのに、活用しきれない」「伸ばせる力があるのに、引き出せない」という惜しいギャップを解消するためにも、外部からの知見や専門的アプローチを取り入れてみるのもひとつの手ではないでしょうか。

【まとめ】見えてきた支援と実感のズレ、中高年キャリア支援に必要な「つなぐ力」
今回の調査で、「中高年層のキャリア支援が進んでいる」という企業側の自負と、「十分な支援を受けていない」と感じる中高年本人との間にある明確なギャップが明らかになりました。
制度としての整備や取り組みの有無だけでは、当事者にとっての納得や実感にはつながっておらず、支援の「見える化」や「使える化」が求められている現状が示されました。

企業の多くが中高年のキャリアサポートについて「注力して取り組んでいる」「ある程度実施している」と回答した一方で、当の中高年社員の半数以上は「会社のキャリアサポートに満足していない」と回答しています。
特に「相談機会がない」「異動や挑戦の機会が限られている」といった不満は、「制度はあるが、自分には関係がない」という距離感が根底にあることを物語っています。

また、支援が後回しになる背景には、「若手の方が意欲が高い」「どう支援すればいいかわからない」といった構造的な要因も絡んでおり、中高年支援が分かってはいるけど動きづらい領域に置かれていることも見逃せません。
裏を返せば、会社がしっかりやってくれないからこそ、中高年は刺激を求めているという結果が見えてきます。

会社として“制度は整えている”という自負はあっても、そこに本人がアクセスできていなかったり、現場の実感に結びついていなかったりすることで、“期待していないし、頼っていない”という受け止め方に変わってしまうのが実情です。

一方で、中高年本人のキャリア観として最も多かったのは『プレーヤーとして活躍し続けたい』という声であり、会社側の予想ともおおむね一致していました。
キャリアの方向性自体には大きな乖離がなく、「働き続けたい」「何かを成し遂げたい」という意欲は共通して存在しているのです。
問題は、その意欲をどう育み、行動に変えていくかという「支援の届け方」にあるといえるでしょう。

支援に対する企業側の期待は高く、「生産性向上」「人的資本の最大化」「組織のイノベーション」など、経営インパクトを見据えた回答が多数を占めています。
しかし、その理想を実現するためには、ノウハウ不足・リソース制約・本人の関与を引き出す仕掛けといった複数の課題に対応しなければなりません。

こうした状況において鍵を握るのが、社内外を「つなぐ力」です。制度を整えるだけではなく、「本人の内発的な動機に火をつける設計」「気づきと行動を生む対話」「社外資源との連携による実践的な学び」など、現場で使われる支援へと転換していくアプローチが求められています。


中高年層の活躍は、単なる人事施策ではなく、企業全体の人的資本戦略と組織の持続可能性を支える中核テーマです。今後は、本人と組織の双方がつながりながら進めるキャリア形成を軸に、支援の再設計と新たな実装に踏み出していくことが期待されます。
中高年社員が本当に求めているものは何かを理解し、そのニーズに合った支援を提供していく必要があり、この年代への支援はこれからを動かす戦略として、いま大きく転換期を迎えているといえるでしょう。

中高年のキャリアサポートなら『越境キャリアドック』がおすすめ




今回、「中高年の社外交流とキャリア意識」に関する調査「中高年のキャリアサポート実態調査」を実施したニューホライズンコレクティブ合同会社(https://newhorizoncollective.com/)は、40代以上のミドル世代を対象としたキャリア形成支援プログラム『越境キャリアドック』(https://careerdock.lifeshiftplatform.com/を運営しています。

近年、働き方が大きく変化し、ミドル世代(40代~50代)がこれまで培ってきたスキルや経験が通用しにくくなっています。
年功序列型の昇進制度も変わりつつあり、キャリアアップが見込めず、モチベーションや生産性が低下する方が増えています。

そこで企業には、ミドル・シニア世代のキャリアを充実させるための対策が求められています。
その有効な手段として、厚生労働省が推奨する「セルフ・キャリアドック」があります。
これは、モチベーションの維持・向上、生産性向上、キャリアの充実度を把握するためのものです。

キャリア自律を高めることは、多様性を受け入れる「インクルージョン」や、人生への満足感を表す「ウェルビーイング」とも関連があることがわかってきました。

ニューホライズンコレクティブ合同会社が運営するLSP(ライフシフトプラットフォーム)は、これまで4年間、大手企業の40代・50代社員や退職者を対象に様々な「学び」のプログラムを提供してきました。
参加者の声や専門家からのアドバイスを基にプログラムを改良し、特にキャリアワークショップは参加者全員から「学びがあった」と評価されています。

LSPの知識や方法論を活かしたキャリアドック「越境キャリアドック」は、社員のキャリア自律を促進するために非常に有効なプログラムです。

■越境キャリアドックの内容



1.ガイダンス動画
キャリア準備に関する15分程度の動画(2本)を視聴

2.キャリアワークショップ
最大15名のグループで実施。
過去・現在・未来について振り返り、他者との意見交換を通じて新たな気づきを得る(3時間×2回)

3.個別キャリア面談
キャリアコンサルタントとの1時間面談(2回)
自身のキャリアビジョンと言語化された行動計画を策定

4.企業フィードバック(オプション)
参加者から得られたデータを基に組織課題を抽出し、人事部門へ報告

5.フォロープログラム
プログラム終了後も継続的なキャリア相談が可能な外部相談室を提供(別料金)

■対象
40歳以上

■時間
活動期間:2025年4月~6月の3か月間に上記プログラムを実施
以降、7月~9月・10月~12月・1月~3月の3か月単位でプログラムを実施いたします。

■実施環境
オンライン

調査概要:
A. 「中高年の社外交流とキャリア意識に関する調査」
B. 「中高年のキャリアサポート実態調査」「中高年の社外交流とキャリア意識に関する調査」
【調査期間】
A. 2025年3月19日(水)~2025年3月20日(木)
B. 2025年3月19日(水)~2025年3月21日(金)
【調査方法】PRIZMAによるインターネット調査
【調査人数】A. 1,010人/B. 1,004人
【調査対象】
A. 調査回答時に中高年(40歳~65歳)と回答したモニター
B. 調査回答時に人事担当者・経営者と回答したモニター
【調査元】越境キャリアドッグを運用するニューホライズンコレクティブ合同会社
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ


■ニューホライズンコレクティブ合同会社:https://newhorizoncollective.com/
■お問い合わせ:https://forms.office.com/pages/responsepage.aspx?id=FSArv_t_F0ijlnW0CyavpHlKVJYrqLlKsqlzATJ43RhUNlM0ODBUNlZTWURWWTZMSFZTUUFSVFNORC4u&route=shorturl

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