彫刻の森美術館(所在地:神奈川県箱根町/公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団)は、4月19日(日)、新収蔵作品として、草間彌生《われは南瓜》(2013年)を屋外展示場の一角に展示公開しました。カフェに隣接する展示エリアは、このたびの収蔵にあたり、鮮やかなモザイクタイルを敷設し作品を活かした空間としてリニューアルされました。

公開に先立ち、4月18日(土)に関係者に向けて行われた内覧会では、草間彌生美術館館長 公益財団法人彫刻の森芸術文化財団理事の建畠哲氏をはじめランドスケープを手がけたトラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏が出席し、作品やランドスケープデザインについてなどを解説しました。

左から公益財団法人彫刻の森芸術文化財団 常務理事 玉木英二、草間彌生美術館館長 彫刻の森芸術文化財団理事 建畠晢、トラフ建築設計事務所 鈴野浩一、彫刻の森芸術文化財団 東京事業部 部長 坂本浩章
【出席者のコメント】

玉木英二(公益財団法人彫刻の森芸術文化財団 常務理事)は、「2013年に丸の内で初めて公開された作品であり、優しさや温かさを感じさせる気になる彫刻でした。丸の内のビル街から箱根の緑の中でこのカボチャがこれからどのような表情を見せていくのか期待しています。」と、草間作品の収蔵について歓迎の挨拶を述べました。

建畠晢(草間彌生美術館館長/彫刻の森芸術文化財団理事)は、草間彌生氏の作家性と作品について解説しました。
「草間さんとしては珍しく、石(花崗岩)で作られた作品です。かぼちゃのモチーフは草間さんの作品の中で中心的なモチーフ。《われは南瓜》というタイトルには、かぼちゃについて草間さんが以前、「私がかぼちゃよ」と自分をなぞらえたこともあり、自身の象徴でもあると同時に、反戦・平和の願いを託し、愛によって世界を救うという強いメッセージが込められています。彫刻の森のなかで草間ガーデンのような雰囲気の、非常に面白いスポットになっているので、皆さんに楽しんでもらえたらと思います。」

坂本浩章(彫刻の森芸術文化財団 東京事業部 部長)は、展示作品について説明を行いました。
「本作品は、2013年に丸の内ストリートギャラリーにて展示されました。草間さんにとって石彫作品は初めてで数少ない貴重なものです。彫刻の森美術館に設置するにあたり、この緑豊かな環境を生かし、作品と台座だけでなく床にもタイルを敷き、周囲に植栽を配置するなど、都市とは異なる表情を楽しめる空間を演出しました。草間さんの2013年のインタビュー映像では、石という半永久的な素材を用いることで“愛はとこしえ、愛は永遠である”という思いが込められていると語られています。私自身は、この黒いかぼちゃに開いている穴は、広い世界を吸収し、時代や時間を超越して、箱根から無限の空間と愛を発信し続ける唯一の作品だと感じました。」

鈴野浩一(トラフ建築設計事務所)は、新設エリアのランドスケープデザインについて、「『丸太広場 キトキ』(2020年)と『森の足湯』(2024年)の空間を設計し、今回は草間作品のためのランドスケープとベンチスペースを担当しました。デザインコンセプトとしては、草間作品と一人で向き合える、囲われた秘密のガーデンのようなイメージです。四季を通じて草木の色彩が移ろい、視線を巡らせるたびに360度それぞれ異なる風景が垣間見える構成を目指しました。また、桜を望むエリアに新たなベンチを設け、木漏れ日の中で静かに佇める空間を演出しました。周囲には、一見すると芝生のようでありながら、実際には苔が広がり、自然により近づく感覚を生み出しています。ランドスケープに溶け込むように設計し、空間全体と一体化することで、訪れる人が静かに自然と対話できる場をつくり出しました。」と紹介しました。
本作品は、「丸の内ストリートギャラリー」(東京・丸の内/主催:三菱地所株式会社、監修:彫刻の森芸術文化財団)にて、 2025年まで展示されました。現在、草間の石彫作品を国内で鑑賞できるのは彫刻の森美術館のみとなります。彫刻の森美術館としても草間作品は初コレクションとなります。
また、《われは南瓜》の展示エリアとあわせて、木漏れ日とそよ風のなか作品をゆっくりと座って鑑賞できるベンチを新設しました。起伏を生かし、他のエリアからの鑑賞の視界を遮ることなく、空間にほどよいリズムとアクセントを与えています。

関連企画として、丸太広場 キトキでは草間作品のインスタレーション展示(11月1日まで)や、草間のインタビュー動画の公開、ショップコーナーではグッズも販売しています。
彫刻の森美術館では、緑豊かな屋外展示場のほか、ピカソ館をはじめとする室内展示場や、子どもたちが体験できる作品、天然温泉の足湯もあり、心豊かな憩いのひとときを過ごすことができます。
草間作品が加わった、新たな彫刻の森美術館にぜひお出かけください。





【作品概要】
作家名:草間彌生(日)/Yayoi Kusama (英)
作品名:われは南瓜(日)/ I Am a Pumpkin (英)
制作年:2013年
素材:花崗岩(日)/Granite(英)
【エリア概要】
公開日:2026年4月19日(日)
台座・モザイクタイル:草間彌生
ランドスケープデザイン:トラフ建築設計事務所
植栽デザイン:Sa Tree
【関連企画】
・インスタレーション展示
会期:4月19日(日)~11月1日(日)
会場:丸太広場 キトキ、 The Hakone Open-Air Museum Cafe
作家名:草間彌生(日)/Yayoi Kusama (英)
作品名:南瓜 (日) / Pumpkin(英)
制作年:2017年
素材:ミクストメディア(日)/Mixed media(英)
・2013年作品完成時の本人インタビュー動画(日・英字幕)
作品完成時の本人インタビュー(2013年収録)
動画協力:三菱地所株式会社
制 作:公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団
放映会場:丸太広場 キトキ
・グッズの販売
【草間彌生 プロフィール】
前衛芸術家、小説家、詩人。
1929年、長野県松本市生まれ。幼少期より水玉や網目をモチーフとした作品を制作する。1957年に渡米し、ニューヨークを拠点に活動。ネット・ペインティング、ソフト・スカルプチャー、鏡や電飾を用いた革新的なインスタレーションを発表し、国際的な評価を確立する。さらにボディ・ペインティングやハプニング、ファッション・ショー、映画制作など、多岐にわたる表現活動を欧米で展開した。
1973年に帰国後は東京を拠点とし、美術制作に加え詩や小説執筆など文筆活動にも取り組む。野外彫刻や企業とのコラボレーション、ドキュメンタリー映像の制作などを通じ、自身の芸術理念を幅広く発信。現在も精力的に創作を続けている。
これまでニューヨーク近代美術館やテート・モダンをはじめ、国内外の主要美術館において回顧展を開催。2026年現在も大規模個展「Yayoi Kusama」がヨーロッパ3カ国を巡回中。
2017年、東京・新宿区に草間彌生美術館開館。
一貫して「自然」「愛」「生と死」、そして無限を主題に、圧倒的な創作活動を続けている。

彫刻の森美術館(THE HAKONE OPEN-AIR MUSEUM)
運営:公益財団法人彫刻の森芸術文化財団
所在地:〒250-0493 神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
開館時間:9:00~17:00 (最終入館16:30) 年中無休
入館料:大人 2,000 円、大学・高校生 1,600 円、中学・小学生 800 円、未就学児 無料
※Webチケット割引、団体割引、障害者割引あり ※学生の方は証明書をご提示ください
アクセス:詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
電車:箱根登山鉄道「彫刻の森」駅下車、徒歩2分
車:東名高速道路厚木ICー小田原厚木道路ー西湘バイパス箱根口ICより約25分または東名高速道路御殿場ICより約30分
公式ウェブサイト:https://www.hakone-oam.or.jp/
お問合せ:0460-82-1161
現在開催中のコレクション展
■展覧会名:Unique Collection
会期:2026年1月31日(土)~
会場:本館ギャラリー
出品点数所蔵作品27点(作家25名)
■展覧会名:名作コレクション
会期:2024年12月6日 (金) ~
会場:アートホール
出品点数:所蔵作品25点(作家18名)