東急東横線綱島駅近くの老舗温泉施設「綱島ラジウム温泉東京園」(横浜市港北区綱島1)は5月20日から、相鉄・東急直通線工事の影響で休園した。
1946(昭和21)年創業の同館。天然のラジウム温泉のほか、館内には畳敷きの大小広間などを用意し、レトロな雰囲気を残している。近年では、大広間でのDJ・ライブ、ワークショップなどさまざまなイベントも開催され、若者層にも親しまれていた。
相鉄・東急直通線は、相鉄線西谷駅(保土ケ谷区)と東急東横線日吉駅(港北区)を結び、両社が相互乗り入れを予定する路線(2019年完成予定)。同館を含む地域一帯の地下には、新綱島駅(仮称)を設置するため、現在工事が進められている。
今回同館の地下で工事が行われるほか、同館敷地内にも工事関係車両が出入りすることで、休園を決定。休園前最終営業となった19日には、朝から多くの常連客が詰めかけ、入口の張り紙を感慨深く眺めていた。
張り紙には「東京園は六十八年の営業をして参りました。その間、都会のオアシスとして、又沢山の老若男女の方々に愛され、楽しまれ、真に幸せでした。心より厚く御礼申し上げます。有り難うございました。二〇一五年五月 綱島温泉東京園(原文ママ)」と記され、68年の歴史にいったん幕が下りた。
工事は20日から始まり、期間は約4年間。工事期間中は仮店舗での銭湯営業なども検討されているが詳細は未定。