横浜歴博で「まぼろしの城」蒔田城の企画展-貴重な史料や仏像展示

当時の家庭生活や習俗を知ることのできる貴重な史料も

当時の家庭生活や習俗を知ることのできる貴重な史料も

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 横浜市歴史博物館(横浜市都筑区中川中央1、TEL045-912-7777)で現在、横浜市南区蒔田町にかつてあったとされる蒔田城と城主である吉良家にまつわる企画展「蒔田の吉良氏―戦国まぼろしの蒔田城と姫君ー」が開催されている。

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 室町・戦国時代に、現在の横浜英和学院の敷地に蒔田城があったと伝えられているが、発掘調査や歴史資料が少ないことから、「まぼろしの城」といわれている。城主である吉良家は、足利氏の一門で高い家柄を有しており、同じ流れの氏族と分けるため武蔵吉良氏と呼ばれる。元は世田谷に居を構えていたが、室町時代に北条氏に招かれて蒔田城を居城とした。その後、1590(天正18)年に豊臣秀吉による小田原落城とともに北条氏が滅ぼされ、蒔田城も廃城となったとされる。

 今回は、同城や吉良家にまつわる古文書や資料、仏像などを公開。自家の礼法書をまとめ直した「吉良流四巻書」や北条家から嫁いだ3人の姫君に関わる文書なども展示している。なかでも吉良氏朝(きらうじとも)に嫁いだ鶴松院(かくしょういん)に実父北条幻庵(ほうじょうげんあん)が送った「北条幻庵心得24条」は、北条家吉良家それぞれの当主の呼び方、節句のしつらえ方などが細かく記されており、当時の家庭生活や習俗を知ることのできる貴重な史料であるという。ほかにも吉良成高が開基となった(吉良政忠という説もある)世田谷区勝国寺に安置されている世田谷区指定有形文化財「木造薬師如来像」なども展示している。

 展示期間8月31日まで。開館時間は9時~17時。企画展の観覧料は一般=300円、大学・高校生=200円、中学・小学生=100円。

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