若者の就労支援などを行っている「シェアするココロ」(横浜市都筑区中川中央2、TEL 045-534-6693)は6月から、全国の大学へ大学生の生活満足度調査プロジェクト「QOUL(クォール)」の調査結果の発送を始めた。
同調査は、2011年度の厚生労働省社会福祉推進事業の一環で「大学生の生活満足度向上委員会」の監修の下、同社が実施したもの。ニートやフリーターを支援する施設の利用者の多くが大卒者であることから、現在の大学生の生活実態や問題点などを詳しく把握することを目的としている。
調査ではWEBサイト上のアンケートのほか、対面でのアンケートやヒアリングも実施。2011年12月から2012年2月までの調査期間で首都圏の大学生から2000以上の回答を得た。
アンケートの集計と分析から「現状の生活に満足しているが将来が不安」「大学内のキャリア支援センターを活用している学生が少ない」「アルバイト経験の少ない学生ほど学内で孤立感が高い」「さまざまな生きづらさを感じている」といった大学生現状が見えてきた。
同社は4月に神奈川大学(神奈川区)で行われた「大学生の生活満足度調査シンポジウム」に参加。今回のアンケート調査報告などを行い、現在の大学生の問題を支援する仕組みの必要性を伝えた。
石井正宏社長は「大学生のなかには自分だけでは解決できない問題があって、最悪の場合自殺などに繋がるケースもある。今回の調査結果やこれまでの当社の経験からそういった傾向の学生はだんだんと絞り込めているので、こういった現状があることを大学関係者の方々にも知っていただきながら改善していきたい」と話すほか「今回は首都圏の大学が中心だったが、地域性などもあると思うので今後は母数を増やすとともに全国でこの調査を実施したい」とも。