高木学園女子高等学校(横浜市港北区菊名7)校内に4月から、ブックディレクターの幅允孝さんがプロデュースした「図書館を飛び出す 図書ワゴン」が登場した。
これまで民間企業の社員らを通常授業に招くほか、企業との商品開発を行うなど学校外とコラボレーションしながら、先進的な取り組みを行ってきた同校。今回は、近年生徒の図書館利用が少ないことから、幅さんをプロデューサーに招き、図書館改革を始めた。
幅さんは昨年から、生徒へのインタビューなどで本との関わり方や興味、関心などの実態調査を行い、「図書ワゴン」で本を紹介することを提案。校内には3台の図書ワゴンが設置され、「世界を旅する」「おやつの時間」「猫」などそれぞれのテーマで選書された本を生徒は自由に手に取ることができる。
図書館が生徒を待つのではなく、本が生徒に近づいていくという同企画。ワゴンは1カ月ごとにフロアを移動するほか、毎月1台のワゴンは幅さんの選書で新しい本に入れ替えていくという。
2年生の佐藤星菜さんは「教室のそばにワゴンがあるので、休み時間なども簡単に本を見ることができ、便利で楽しい」と話す。
山川哲司教頭は「本校では、創立の理念に基づいて、『社会を知り、社会で行動し、社会で生きる目的を持つ』教育を行ってきた。幅さんが選んだ本を通して、広い社会を知るきっかけにしてほしい」と期待を寄せる。
同校では夏休み明けの2学期以降に、図書館改革の第2弾もひかえているという。