プレスリリース

日本初!名古屋大学とデジタル技術を活用した未来型の下水道施設マネジメントの実現に向けた共同研究を実施

リリース発行企業:川崎市

情報提供:

 重要な都市インフラである下水処理場では、設備の故障などを未然に防ぐため、日々の計画的な点検・調査によって数多くの機械設備の状態を監視しながら施設管理を行っています。しかし、今後の担い手の減少や、多大な設備を有する施設の老朽化のため、これまでよりもさらに効果的・効率的な施設管理を実現する必要性が高まっています。
 このような課題の解決を目指し、名古屋大学大学院工学研究科・機械システム工学専攻 井上 剛志 教授と川崎市上下水道局は、「デジタルツインモデルの構築を基盤とする、機械システムの状態監視マネジメント技術」に関する共同研究の契約を9月8日(月)に締結しました。
 この研究は、下水処理場の機械設備に付けたセンサーから取得した振動などのデータや、仮想空間上に構築したモデルによって設備の状態を分析・シミュレーションすることで、状態監視データを活用したマネジメントを実現する技術を開発するものです。このような技術の社会実装に向けた研究は、国内の下水処理場で初めて行われます。この研究が進むと、さらなる効果的・効率的な状態監視マネジメントによる新たな施設管理が行えるようになることが期待できます。

図1 デジタルツインイメージ

図2 実機検証イメージ

※デジタルツインモデル
 サイバー空間内に現実空間の環境を再現することをデジタルツインと呼ぶ。現実空間と対に
 なる双子(ツイン)をデジタル空間上に構築し様々な条件下でのモニタリング、シミュレー
 ションを可能にする仕組み及び構築したモデルを言う。

1 概要

研  究  名:下水道設備の状態監視マネジメント技術の開発
研究機関・場所:国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学大学院工学研究科 (名古屋市千種区不老町)
        川崎市上下水道局 入江崎水処理センター(川崎市川崎区塩浜3-17-1)
研 究 期 間:令和8年3月31日まで

2 背景/目的

 近年、IoTの発展とともに機械システムの状態監視及び診断、予兆保全技術の開発が急速に進んでいます。なかでも、アセットマネジメントを基盤とした状態監視技術の分野は黎明期であり、下水処理場の機械設備への適用は国内に前例がないことから、名古屋大学・井上教授は下水処理場における実設備を対象とした研究を目指していました。一方で川崎市においては、下水道施設を健全な状態に保つため、これまでもアセットマネジメントに基づく計画的な点検・調査による予防保全を行ってきましたが、今後、さらに施設の老朽化が進むことから、さらなる効果的・効率的な下水道施設のマネジメント技術を必要としていました。このため、両者の関心や課題の共有を背景として、下水処理場におけるポンプ等を対象とした共同研究の実施に至りました。

3 研究内容

 今年度実施する基礎研究では、ポンプ設備等において様々な状態監視データ(電流・振動・加速度などのデータ )を取得し、下水道設備における状態監視技術の有用性・有効性を確認します。また、状態監視技術の有用性等を確認した後は、ポンプ設備等のデジタルツインモデルを構築し、下水道設備に関する状態監視マネジメント技術の開発を進めていく予定です。この研究が進むと、さらなる効果的・効率的な状態監視マネジメントによる新たな施設管理が行えるようになることが期待できます。

図3 デジタルツインモデルの構築例

問合せ先

・川崎市上下水道局下水道部下水道計画課 久原
 電話 044 - 200 - 0352

・名古屋大学大学院工学研究科機械システム工学専攻
 教授 井上、助教 小河原
 電話 052 - 789 - 3122

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