日本発祥の取り組みである森林浴 は"Shinrin-yoku" として世界に広がり注目を浴びています。 こうした背景の中、昨年初めて”世界初の森林浴発祥の地をめぐるインバウンドツアー"を実施し、好評につき今回第2回目となるツアーを開催しました。
【開催概要】
タイトル:Japan Shinrin-yoku tour2024
開催日:2024年10月14日~18日 4泊5日
主催:一般社団法人 森と未来 企画運営:Shinrin-yoku facilitator(R)?
協力:上松町観光協会・高山市役所・イーツアー株式会社
訪問先:長野県上松町・岐阜県高山市
一般社団法人森と未来(以下、森と未来)は、森林浴を通じて森と人をつなげることを目的として2015年に設立し、これまで森林空間を活用したプログラム開発及び人材育成を国内外へ約60社40地域へと提供し、延べ23,000名を森ご案内しています。
<開催報告>
2024年10月14日から18日の4泊5日で「Japan Shinrin-yoku Tour 2024」を開催しました。本ツアーは、森林浴発祥の地である日本の森に、世界から森林浴を学ぶ専門家の方を迎え、日本人と森の関係や日本文化を伝え、国内のShinrin-yoku facilitator(R)?と共に、国籍を超えて森との関係や価値観についてシェアすることを目的としています。
??海外パートナーとの連携
本ツアーは、当社のパートナーである、アメリカを拠点とする森林浴のガイド育成団体 ANFT(Association of Nature and Forest Therapy)と提携しています。ANFTは2012年にアメリカで設立された団体で、世界6大陸60カ国に約3,000人のガイドを育成しており、森と未来は本ツアーを総合プロデュースし、これまで当社が育成してきたShinrin-yoku facilitator(R)?が企画運営、国内の旅行会社イーツアー株式会社(ジョルダングループ)、各地域の観光協会、市役所、ガイドと連携して実施しました。
連携団体
Amos Clifford, Founder
Association of Nature and Forest Therapy Guides and Programs
第1回目のツアーに続き、今年のJapan Shinrin-yoku tourも素晴らしい成功を納めました。森と未来とANFTの協力のもとに行われるツアーは、森林浴についての知識やアイディアをガイドたちが交換し合うとても素晴らしい機会です。さまざまな背景や文化、国籍を持つ人々が真摯に協力する姿は美しく、その成果は目を見張るものがあります。Shinrin-yoku facilitatorとANFTのガイドは、互いに美しい森からも多くを得ていると感じています。
この取り組みは、太平洋を越えてさらにその先へつながる善意と友情の橋を築いています。このような心のある協力関係が続くことで、森林浴の分野における強く健全なエコシステムが築かれていく
ことを願っています。
Amos Clifford
推薦者(企画参加)
小西 真奈美
表現者・ハニーセラピスト
Shinrin-yoku facilitator(R)?
森に入り、自分の心や身体と向き合うことで、自然に対して、人に対して、そして人生で一番長く付き合う自分自身に対して、感謝の想いが溢れる。この感覚を、海外の方はどのように感じるのだろう。これが、私が企画から携わるという機会を提案いただいた時に真っ先に思い浮かんだことでした。
この企画がどれほどの愛情と熱量によってなされているかを体感し、ツアーではたくさんの美しい自然、美しい文化、そして参加者の皆さんの美しい表情に出会うことができました。森によって国も文化も超えてつながれることを実感する、素晴らしい貴重な機会をいただけたことに感謝しています。
小西 真奈美
??ツアーの実施報告
参加者は、海外から19名(アメリカ・カナダ・スロバキア・ニュージーランド・シンガポール)、後半から日本人のShinrin-yoku facilitator(R)?が8名(東京・神奈川・静岡・熊本)参加しました。ツアー中、2つの地域で3つの森を訪問しプログラムを行いました。
<ツアーのハイライ>
1. 日本人と森の関係について講義:[長野県 上松町]
森と未来 代表理事 小野なぎさによる講義の様子
上松町観光協会より木曽の文化について紹介し、その後、森と未来代表の小野なぎさより、日本の森林浴の歴史や森林浴の効果、国内での取り組み状況をはじめ、八百万の神等、日本人の信仰について講義を行い参加者とディスカッションをしました。
2. 森林浴発祥の地で森林浴:[長野県 上松町 赤沢自然休養林]
赤沢自然休養林 御神木伐採跡地にて
赤沢自然休養林は、樹齢300年を超える木曽ヒノキの天然林がある国有林です。この森で育った木は、伊勢神宮に収められています。現地ガイドとShinrin-yoku facilitator(R)?の連携により、五感を使って森を楽しみ、地域に伝わる伝統文化や信仰に触れながら森林浴を体験しました。
3. 海外の取り組みを聞き交流:[岐阜県 高山市]
日本人参加者と外国人参加者の交流の様子
日本人のShinrin-yoku facilitator(R)?8名が全国から合流。高山市役所より地域に伝わる伝統工芸、匠の技について紹介し、その後ANFTの取り組みや考え方について話しを聞き、交流を行いました。
4. 神社のある森で森林浴:[岐阜県 高山市 高根町]
日和田の森にて神社と神話の話を聞いている様子
「日和田高原ロッジ・キャンプ場敷地内 杣ヶ池コース」は、標高約1,400mに位置し、白樺やモミなど高地ならではの植生を見ることができる、高地トレーニングコースとして整備された森です。森の中に神社があり、土地の伝わる神話を聞きながら地域によって異なる森の成り立ちに思いを馳せながら森林浴を体験しました。
5. 国を超えて価値観・知恵の共有:[岐阜県 高山市 清見町]
日本人参加者と外国人参加者によるワークの様子
「彦谷の森」は、かつて里山として利活用されていた広葉樹の森で、現在は子どもたちの自然体験や環境教育の場としても活用されています。森林浴を学ぶ日本のShinrin-yoku facilitator(R)?とANFTのガイドが共に森林浴のプログラムを考え、互いの知恵を共有しました。
??参加者の声(日本語訳)
?「森林浴のルーツである日本で森林浴を体験したいと思っていました」
?「木々に耳を傾け優しく触れて、その存在を感じる手助けとなりました。今もなお、禅のような落ち着いた姿勢でガイドを続けているガイドの方々に深く感銘を受けています」
?「異文化交流や好奇心に満ちた、優しさとつながりのある体験を通じて、多様性が機能し、共に生き、喜びを分かち合う世界が実現できることが証明されました」
?「セッションでは良いアイデアがいくつか出ていたので、今後の活動へ活かされることを期待しています」
?「私たちのつながりや自然の法則の重要性を思い出させ、人類を導くために尽力してくださってありがとうございます。森と未来は、私たちが木々や人間を超えた自然界とパートナーシップを結び、喜びに満ちた人生を送るために欠かせない存在です。」
<Japan Shinrin-yoku tourの今後について>
昨年に続き、2回目となるツアーの開催を通じ、Shinrin-yokuの新しい可能性に触れることができました。世界が関心を寄せる日本文化、人と森の関係、そして森林浴が日本で生まれた背景などを深める中で、Shinrin-yokuが持つ新しい可能性を感じることができました。今後は、日本初の取り組みとして国内外のより多くの地域でShinrin-yokuが展開できるよう、育成プログラムの強化と世界への展開を予定しています。
本件に関するお問い合わせ
一般社団法人森と未来
広報担当: 中島
Eメール::inforest@fwithf.org