東京ガス港北NTビル「アースポート」(横浜市都筑区茅ヶ崎中央)は、再生可能エネルギーと次世代技術を組み合わせ大幅な省エネ・省CO2を実現できるシステムを導入し、8月より稼働している。
1996年に竣工し、ショールームや事務所として利用されてきた同ビル。地上4階、塔屋1階、延べ床面積5,645平方メートル。コンセプトは「ライフサイクル省エネルギーオフィス」で、自然光や自然換気、ガスエンジンの廃熱から再びエネルギーを取り出す「コージェネレーションシステム(CGS)」を利用して、一般のテナントビルに比べて一次エネルギー消費量を約24%、CO2排出量を約25%削減してきた。
今回は既に省エネが進んでいる同ビルに、太陽熱集熱器、太陽熱やCGSの廃熱を冷暖房に利用する空調システム、天候などで出力が変動する太陽光発電をCGSで補完する制御システムなどを導入。これにより、一般のテナントビルに比べて一次エネルギー消費量を約40%、CO2排出量を約47%削減できる見込み。
この取り組みは、経済産業省の「次世代省エネルギー等建築システム実証事業」に採択されており、2030年までには徹底した省エネと周辺施設への効率的なエネルギー供給(面的利用)などにより、年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロかおおむねゼロとなる建物「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」を目指す。
同システム導入の改修工事は1月より開始し7月末に完了。改修費は5億円。