
B1リーグの年間優勝を決めるチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦目が5月25日に横浜アリーナ(横浜市港北区新横浜3)で行われ、琉球ゴールデンキングス(以下、琉球)が宇都宮ブレックス(以下、宇都宮)に87-75で勝利した。
昨年10月3日に開幕したB1リーグの年間王者を決めるCS。レギュラーシーズンを勝ち上がった8チームによる負けたら終わりのトーナメントを勝ち上がった両チームの決勝は、今月24日に始まり2戦先勝で王者を決める。1戦目は宇都宮が強みの3ポイント(P)シュートを高確率で決めるなどして81-68で勝利していた。
試合は琉球が強みとするオフェンスリバウンドで先制するが、宇都宮はD.J・ニュービル選手が、アタックからの得点やアシスト、3ポイント(P)シュートなど立ち上がりから躍動し得点を重ねる。琉球は伊藤達哉選手が前日活躍した宇都宮・小川敦也選手のミスを誘うなど好守を見せ、「オープンのシュートを昨日決められなくて苦しんだところもあったので、空いたら決めようと思っていた」という平良彰吾選手の3Pシュートなどで21‐22と競った。
第2クオーター(Q)序盤は互いに守り合う展開となるが、宇都宮が小川選手、ニュービル選手、ギャビン・エドワーズ選手の4連続3Pシュートで2桁リードを奪う。琉球はファウルやミスが続き我慢の展開が続くが、「チームが作ったオフェンスなので、狙うのは大事」と小野寺祥太選手が3Pシュートを連続で狙い得点を動かしたほか、ルーズボールに飛び込みボールをつなぐハッスルプレーを見せる。宇都宮はグラント・ジェレット選手がシュートをブロックし追い上げを阻んだが、残り5秒からの攻撃で琉球・荒川颯選手の長距離の3Pシュートが決まり35-43で前半を折り返した。
後半立ち上がり、琉球が小野寺選手のレイアップ、松脇圭志選手の3Pシュート、脇真大選手とジャック・クーリー選手の連係プレーで3点差に詰め寄る。以降は点の取り合いになり、宇都宮・比江島慎選手やアイザック・フォトゥ選手、ニュービル選手がリングにアタック。琉球はアレックス・カーク選手やケヴェ・アルマ選手がリバウンドから得点を挙げ、ロー選手のダンクで同点に追いつく。比江島選手の3Pシュートで一歩前に出た宇都宮が63-64の1点リードで最終Qに突入した。
宇都宮・遠藤祐亮選手が3Pシュートを決めれば、自らボールを要求した荒川選手は「あれが自分のリズム」とドリブルで守備をかわして3Pシュートを決め返す。同点で迎えた最終Q後半は、脇選手が「自分のレーンが見えたので狙えると思ったし、ビッグショットを決めるのが結構好きなので強気でプレーした」とレイアップシュートで逆転。ロー選手、アルマ選手の連続得点、リバウンドから速攻に走った荒川選手のレイアップなど一気に攻め込んだ琉球が勝利した。
琉球・桶谷大ヘッドコーチHCは「出だしはかなりフラストレーションがたまるゲームだったが、選手が冷静に対処しながら一桁差で前半を終われたのがかなり大きかったかな。まずは前半耐えてくれた選手たちを褒めたい」と振り返り、「ビッグショットを決めてくれて一気に流れが来た」と13得点上げた荒川選手を称えた。荒川選手は「昨日はチャンスを待ってしまったので、つかみ取りに行く姿勢を最初から最後まで貫き通せるように気持ちを準備していた」と活躍の要因を明かした。
宇都宮ジョージ・コロネルHC代行、比江島選手は異口同音に「リバウンド」を敗因に挙げた。比江島選手はシュート確率が伸び悩んだが「皆も(シーズン中に逝去したHCの)ケビンも打ち続けろといってくれるので、自分を信じて打ち続ければ感覚はつかめてくると思う。打ったシュートは全部、自分自身は悪くないと思っているし、チームとしても打っていいと指示を受けているので、(第3戦目まで)一日空きリフレッシュできるので、ポジティブにとらえて行きたい」と前を向く。
第3戦目は今月27日に同アリーナで行われる昨年決勝で敗れた琉球の荒川選手は「去年と同じところまできた。去年足りなかったあと1勝をつかみ取りに行きたい」と、宇都宮・渡邉裕規選手は「KB(=シーズン中に逝去したケビン・ブラスウェルHC)が作ったチームがどれだけ良いチーム化を証明できる最後のチャンス。それを証明しないとやってきたことが水の泡になると思うので、奮い立って全て出すだけ」と、それぞれ意気込んだ。