
B1リーグの年間優勝を決めるチャンピオンシップ決勝戦第1戦が5月24日に横浜アリーナ(横浜市港北区新横浜3)で行われ、宇都宮ブレックス(以下、宇都宮)が琉球ゴールデンキングス(同、琉球)を81-68で下し先勝した。
昨年10月3日に開幕したB1リーグは、レギュラーシーズン60試合を勝ち抜いた8クラブが年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)に進出した。全体1位でCSに出場した宇都宮はシーホース三河と千葉ジェッツを、同じく3位でCSに出場した進めた琉球は島根スサノオマジックと三遠ネオフェニックスを、それぞれ破り決勝に駒を進めた。
2戦先勝方式で勝者を決める1戦目となったこの日、会場には1万3121人が駆け付けた。立ち上がりは「最初からアグレッシブにやると決めていた」という琉球の脇真大選手が強みとするインサイドへのアタックを積極的に仕かけ、ヴィック・ロー選手の3ポイント(P)シュートもあり一歩前に出る。宇都宮は、DJ・ニュービル選手を皮切りにグラント・ジェレット選手や小川敦也選手と4連続で3Pシュートを決め逆転に成功する。
24‐20で迎えた第2クオーター(Q)は、「コートに出ている限りは足を止めずというか、リバウンドやルーズボールを取る姿勢を見せることでチームの士気が上がればと思いながらプレーしている」と言う比江島慎選手がルーズボールに飛び込みボールをつないだほか、琉球からボールを奪う好守を見せる。リバウンドからの速攻でギャビン・エドワーズ選手がダンクを沈めるなど宇都宮が2桁リードを奪う。それでも琉球は脇選手やジャック・クーリー選手などがリバウンドから得点を挙げるなどし、残り0.5秒でファウルを得た琉球のロー選手がフリースロー3本を確実に沈めて41-35で前半を折り返す。
後半は、3Pシュートを警戒した琉球に対し、琉球はニュービル選手や小川選手がインサイドへアタックする場面が増える。琉球はアレックス・カーク選手がリバウンドで体を張るなどして食らいつくが、宇都宮のニュービル選手が同Qだけで12得点を挙げ59‐45とリードを広げた。
最終Qは、「負けると思っていなかったし、(宇都宮の)小川選手のような役割になれるかなと思って臨んだ」と、琉球・松脇圭志選手が連続で3Pシュートを沈める。終盤には「ペイント(ゴール下への制限区域)へのアタックも必要」と平良彰吾選手が積極的にアタックする姿を見せたが、宇都宮は遠藤祐亮選手の3Pシュート、エドワーズ選手のゴール下などで追い上げ許さず、勝ち切った。
両チーム最多の25得点を挙げたニュービル選手は「こういう試合では、高ぶりすぎてはいけない」と平常心で臨み、「人生で3Pシュートをたくさん練習してきた。3Pシュートで良い仕事ができた」と自己評価した。小川選手はこの日15得点を挙げたが、「(3Pシュートは)ずっと課題として取り組んできた。ヘッドコーチ(HC)や仲間から空いたら打てと言われているので、空いたら打つ自信は持っている」と言い、「アグレッシブにプレーできた結果が得点につながった」と振り替えた。
琉球はエースの岸本隆一選手を欠いていたが、宇都宮のジーコ・コロネルHC代行は「それでもパフォーマンスが落ちることなく4年連続でファイナルに進んでいる危険で油断できないチーム。ディフェンスでプレッシャーをかけることはスタイルとしてやっていること」と、琉球から14回のターンオーバーを誘う好守を見せた。
琉球の桶谷大HCは「小川くんが勝利を決めた」と小川選手を称えつつ、「エックスファクターを出さないようにすることが一番」と修正点を挙げた。攻撃面についてポイントガードの伊藤達哉選手は「いつものオフェンスに入れない状況が多々あった。どうしてもヴィックや、1人で打開しようという意識が強すぎて、全員がうまくボールを触れない時間があったのでもっと流れるようなオフェンスができれば」とも。
両チームは25日に第2戦目を戦う。琉球・松脇選手は「こういう経験は僕たちの方があると思うし、皆明日に向けてやっていると思う。冷静に経験を生かしてやっていきたい」、宇都宮・小川選手は「2戦目を勝った方が優勝するというくらいの気持ちで取り組みたい」と、それぞれ意気込んだ。