横浜アリーナ(横浜市港北区新横浜3)で5月28日、Bリーグ・チャンピオンシップ(CS)決勝戦第3戦が行われ、広島ドラゴンフライズが勝利し初優勝を飾った。
Bリーグ2023-24シーズンの優勝を決めるCSは、レギュラーシーズン60試合を勝ち抜いた8チームが2戦先勝のトーナメント方式で対戦。決勝は昨季の王者、琉球ゴールデンキングスと広島が顔を合わせた。2戦先勝方式で、初戦は74-62で琉球が、2戦目は63-72で広島がそれぞれ勝利し、決着は3戦目に持ち越された。
試合立ち上がりは、広島が攻守でリバウンドを抑え連続得点を挙げ、持ち味と自負する守備でも3分弱琉球に得点を与えず好スタートを切る。琉球も好守からアレン・ダーラム選手が速攻で得点を動かし、岸本隆一選手の長距離の3ポイント(P)シュートなどで付いていく。
12-17と広島リードで迎えた第2クオーター(Q)立ち上がりは3Pシュートの応酬となるが、広島が3連続で沈め2桁点差を付ける。中盤は両チームが守備の強度を上げた中、琉球は積極的にインサイドへアタックし得点を重ね、好守からの速攻で点差を詰めると選手たちは吠える姿も見せた。それでも広島の河田チリジ選手がリバウンドからダンクを決めるなどして29-35とリードのまま前半を折り返す。
後半も互いに簡単にシュートを打たせないアグレッシブな守備を見せ、ボールを奪いに積極的に手を出していく。今村佳太選手のインサイドへのアタック、ジャック・クーリー選手のゴール下などで琉球が2点差まで詰め寄るが、広島は「強みであるディフェンスをやれば勝てると理解していた」(中村拓人選手)と逆転を許さず、山崎稜選手の3Pシュート、ドウェイン・エバンスのアタックなどでリードを広げる。琉球はフィジカルを生かしてシュートを防ぎ広島のオフェンスファウルを誘発するなど守備で我慢し、ヴィック・ロー選手の3Pシュート、今村選手のフリースローで40-46と点差を詰めた。
最終Q立ち上がりも両チームの好守が続く中、広島がニック・メイヨ選手の3Pシュートなどで点差を広げる。琉球は今村選手が積極的なアタックから得点を挙げるが、広島は「セットプレーで狙っていた選手がオープンにならなかったので、(ボールを)もらいに行って打ち切ろうと思った」と中村選手が攻撃時間残り5秒のタイミングで3Pシュートを沈め再び2桁リードを奪う。さらに中村選手は守備でも外国籍選手相手に体を張って得点を許さなかった。琉球はロー選手がボールを奪う好守から得点を挙げ、今村選手が3Pシュートを打ち続け追い上げを図るが、50-65で試合終了となった。
初のBリーグ制覇となった広島。カイル・ミリングHCは、勝利後の恒例となっている「勝ちじゃけ」と広島弁で勝利の雄たけびを3回上げた。優勝トロフィーを掲げたキャプテンの朝山正悟選手は「最高以外の何も言えない。本当にうれしかった」と笑顔を見せた。今季で引退を表明している朝山選手は「横浜出身で、最後自分が競技を始めたこの地で終わるというのは感慨深いものがあったし、Bリーグの最後の最後の日まで試合をできて、最高の景色で終われると言うのは本当に最高のことだと思うので、とにかく仲間たち、一緒に戦ってくれたブースター(ファン)、ずっと支えてくださった方たちに感謝したい」と話した。