横浜アリーナ(横浜市港北区新横浜3)で5月28日、Bリーグ・チャンピオンシップ(CS)決勝戦第2試合が行われ、琉球ゴールデンキングス(以下、琉球)が勝利し初優勝を飾った。
2022-23シーズンの優勝を決めるCSは、レギュラーシーズン60試合を勝ち抜いた8チームが2戦先勝のトーナメント方式で戦った。決勝はレギュラーシーズンを歴代最高勝率で勝ち抜いた千葉ジェッツふなばし(以下、千葉J)と2季連続CS決勝進出を果たした琉球となった。前日27日に行われた第1試合は2度の延長戦の末に琉球が競り勝ち、この日を迎えた。
試合前にはロックバンド10-FEETが映画「THE FIRST SLUMDANK」のエンディング主題歌「第ゼロ感」を披露。同所でのライブ経験から「一番後ろの一番上の人の声も聞こえる」と話したボーカルのTAKUMAさんは、「皆の応援は選手の背中を押す。その応援がどんな熱量かで感動的なものがより素晴らしい試合に結びついていくと思うので、皆で盛り上げましょう」と呼びかけた。
試合の立ち上がりは、琉球・岸本隆一選手を皮切りに千葉J・富樫勇輝選手など両チーム3ポイント(P)シュートの打ち合いとなる。一転インサイドを交えた攻撃で得点を重ねた琉球は、体を張った好守やゴール下での堅守も見せ14-24とリードを奪う。
第2クオーター(Q)は、千葉Jジョン・ムーニー選手がリバウンドから連続得点を挙げ、ボールを奪うプレーから得意とする速攻などで5点差まで詰め寄る。それでも我慢を続けた琉球が終盤に得点を重ね31-40で前半を折り返した。
後半序盤は、千葉Jが守備で粘りを見せると同時に、3点差に詰め寄る3Pを決めたクリストファー・スミス選手が、身体能力を生かしてパスをそのままシュートしたほか、ルーズボウルを追いかけファウルを誘発するなどして一時逆転する。
琉球はコー・フリッピン選手、牧隼利(はやと)選手の得点で流れを渡さず、54-57で迎えた最終Q。ジャック・クーリー選手はシュートをブロックする好守を見せ、ジョシュ・ダンカン選手はイン・アウト両サイドで得点。さらにフリッピン選手がリングへのアタックや3P、フリースローと同Qだけで13得点とチームを引っ張り千葉Jに追い上げを許さず73-88で勝利。昨季のリベンジを果たし初優勝となった。
試合中場内では攻撃チームの応援を先導する意味合いも込めてBGMを流していたが、コロナ禍が落ち着き解禁となった「声出応援をしてほしい」というリーグの思いなどから終盤にはBGMを消す演出も。場内は来場した1万3657人の声援やクラップ音が鳴り響いた。
琉球・桶谷大ヘッドコーチ(HC)は「優勝したことはすごくうれしいことだが、最高のシーズンを送ってきた千葉Jと決勝ができたことはすごくうれしいし、バスケットが楽しいと感じられた。敬意を表したい」とコメント。西地区の強豪として毎シーズンCSに進出しながらも無冠に終わっていた琉球。岸本選手は「やっとここまでたどり着いてすごくうれしい気持ちでいっぱい」と喜びを表現した。
「優勝するにふさわしいチームだと本当に思った」と琉球を称えた富樫選手は、「ファイナルで敗れるのはもちろん悔しい思いもあるが、その気持ちとこのチームと今シーズンやってきたことをすごく誇りに思う」と話した。
CSのMVPには琉球のアレン・ダーラム選手が、CS決勝戦のMVPにはコー選手がそれぞれ選ばれた。