新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区新横浜2)内の気仙沼「かもめ食堂」が4月5日に卒業し、7月には気仙沼で帰郷出店する。
1942(昭和17)年に宮城県気仙沼漁港に創業した「かもめ食堂」は、ラーメンを始め定食なども提供し、漁港で働く人や周辺住民に愛されていた気仙沼の「シンボル的な食堂」。2006年には後継者不在を理由に閉店し、2011年の東日本大震災では、津波により店舗跡は全壊した。
震災後、気仙沼では誰もが知っていた「かもめ食堂」を復活させることで「笑顔が戻るのでは」という思いから、同館と気仙沼出身で東京・葛西のラーメン店「ちばき屋」店主でもある千葉憲二さんが「かもめ食堂復活プロジェクト」を開始。震災直後は気仙沼に復活させることは困難であったため、2012年2月、同館にかもめ食堂を復活出店した。
当初から3年をめどに営業し、気仙沼にかもめ食堂を帰郷・出店するという目標を掲げていた同プロジェクト。今年7月には現地で出店のめどが立ったという。
同館では、かもめ食堂を送り出すために、3月6日から卒業する4月5日までの1カ月間、気仙沼商工会議所の協力を得て「気仙沼の笑顔ウィーク」を開催する。同店では気仙沼で提供する新メニュー「さんまラーメン醤油味」(900円)を提供。館内地下2階広場では気仙沼の名物料理や地酒などを提供する「気仙沼酒場」をオープンする。1階の展示ギャラリーやミュージアムショップでは、気仙沼で復興に向けてがんばる人にスポットをあてた特別展や気仙沼の物産展なども展開する。
3月5日に行われた記者発表では、岩岡洋志館長、千葉憲二店主、気仙沼商工会議所の菅原昭彦会頭のほか、気仙沼出身でかもめ食堂常連だったという前防衛大臣の小野寺五典衆議院議員も駆けつけ、被災地復興やかもめ食堂への思いを話した。
岩岡館長は「3年間で37万杯以上のラーメンを提供してきたかもめ食堂。残り1カ月は全館をあげて気仙沼をアピールして、少しでも気仙沼に行こうという人を増やせたら」と話した。
気仙沼ウィークは4月5日まで。入場料は、中学生以上=310円、小学生・シニア(60歳以上)=100円、小学生未満無料。営業時間は日によって異なる。