学校の図書館がカフェに 生徒の信頼を「貯金」し若者支援の土壌作る

学校図書館が週1回カフェスペースに変わる

学校図書館が週1回カフェスペースに変わる

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 神奈川県立田奈高等学校(横浜市青葉区桂台2)内の図書館で現在、在校生だけでなく卒業生や地域のボランティアスタッフが集まれる「ぴっかりカフェ」がオープンしている。

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 社会的弱者となるリスクの高い子どもや若者の自立支援を行うNPO法人パノラマ(横浜市中区)が同校と協力して運営している「ぴっかりカフェ」。昨年12月から週1回、昼休みと放課後に在校生が無料で飲食ができる空間としている。

 「知らない大人に子どもは何も相談しない」と話すのはパノラマの石井正宏理事長。子どもは初めて会ったカウンセラーよりは、普段から顔を知っている大人に悩みを話すことから、同カフェで大人が子どもからの信頼を「貯金」することによって、本当に困ったときに相談してもらうことを目指す。

 毎回カフェで飲み物やお菓子を提供するのは地域のボランティアスタッフ。視察や取材に来た大人もエプロンを着けて飲み物を渡せるので、自然と会話が生まれる。毎回200人(全校生徒数約3分の1)近くの生徒が利用しており、校内の新しいコミュニケーションスペースにもなっている。

 石井理事長は「卒業生も気軽に来られる場所になっており、例えば卒業後就職したがさまざまな事情で辞めてしまった若者は通常なかなか支援はできないが、このぴっかりカフェなら把握できる可能性もある。具体的な問題解決の前の段階の土壌を作れたら」と話す。

 7月23日には同カフェでカレーパーティーを行う予定で、食材(肉類希望)の寄付や取材なども受け付けている。寄付などの連絡は特定非営利活動法人パノラマのフェイスブックページで。

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